2010年1月28日

タブレット、もしくはハンドヘルド随想

iPadの項目で書いた(既削除)、ジェリー・カプラン氏の著書がこれです。左が原書、右がイヤに軽いノリの日本語訳です。カプランは、PenPoint OSという初のタブレットPC向けの基本ソフトと、ハードも設計。ベンチャーキャピタリストの支援、IBMとの協業なども経て、成長と挫折を体験していきます。とにかく、起業の醍醐味を感じさせるスピーディーな記述で、スカリー時代のアップルとの対決(アップルはNewtonを開発中だった)も面白いものです。


さて、次は、タブレットとは言えないですが、アップルの天才と言われた2人(ビル・アトキンソン氏、アンディ・ハーツフェルド氏)が創業した、General Magic のOS ( Magic Cap )に基づくSONYのデバイス "Magic Link"です。
上の写真の機器は、私がアメリカから直輸入したものです。日本でも、NTTがこの機器によるネットワークサービスを展開しようとして、試験的に日本向けの機器をコアな人たちに配りましたが(私もその1人だった)、事業化はならず、機器も回収。私の手元には、米国市場向けの端末のみが残されました。電話もできるし、エージェントというタスクの仮想実行者がモニター上で動くようにして表示される、視覚的にも楽しい試みでした。

さて、タブレットからPDAに移りますが、PDA、ハンドヘルドと言えば、アップルのNewtonを完全に打ち負かしたのはこれでしたね。そう、PalmPilot です。
私が購入したのは、まだPalmと呼ばれる前の、US-Robotics時代(96年ごろ)の "Pilot" です。ヘビーなPalmファンのサイトを読むと、さすがに当時は全く無名のこの機器を購入したのは、日本では20人もいなかったようです。PalmPilot ではありません。単なる"Pilot" というロゴ入りの端末はかなり珍しいと思います。
私は、ある店に数台の輸入品が来たと言うことで、急いで行って店員に聞いたら、「はあ?聞いたことないすね。それってDOS/V機ですかあ?」と言われて、唖然としたことを覚えています。

いずれにせよ、タブレットに至る今までの道のりは、画面の大きさ、電源の持ち具合、文字の入力にはソフトキーボードか手書き入力か、などなど、さまざまな試行錯誤がありました。アップルのiPad、どこまで使い勝手がいいのかはわかりませんが、私の第一印象では、あの価格なら買おうかなという消費者も多いと思います。