2010年2月1日

静止した時間・消滅した時間

© Ikko Narahara

奈良原一高氏の作品に填っています。
1931年生まれだから、相当のご年配ですが、20代前半のデビュー作「無国籍地」以降、私にとってはズドーンと来る、いい作品ばかりです。
上の作品は、あまりに有名な「静止した時間」(1964)から。鳩と思われる飛翔する鳥のシルエットもいいが、両側の壁の影、正面の扉の顔も印象的。

「僕の始まりは、決して写真家になろうとしてカメラを手にしたのではなく、何かをいおうとしてカメラを手にしたにすぎなかった偶然・・・」(「カメラ時代」1966)

こう言ってしまう感性も、なにがしか私にもぴんと来るものがあります。
他にも多くのお気に入りの写真家はありますが、今のところ、感性が一番ぴったり来るのが奈良原一高氏の作品です。